PC・スマホの使い勝手がよくなり、通信環境も飛躍的に発展。誰でもいろいろなことを容易に発信できるようになったことに比例し、誤入力や誤変換がまじってしまうことも多くなった。自戒と自省もこめ、思いついたものを――
井上 博雅
Hiromasa Inoue
バンダム級? 国家斉唱?
新型コロナ「ウィルス」 じゃなくて「 ウイルス」。「イ」は小さくないんだ…と気づいたのは、感染拡大報道が一段と過熱してしばらくたった頃だったか。
イが小さい表記も間違いではないようで、“間違い感”もほとんどないけど、カン違い、思い違いや言い間違い、書き間違いをしてる字や言葉って、けっこうあるよなァ、なんてことをいろいろ思い出した。
自分が好きなボクシングや野球を例にしてみると――
モンスター井上尚弥が現在君臨している階級は「バンダム級」ではなく「バンタム級」だ。有名俳優(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)の名前の影響かと想像しているが、これは今も昔もよく見る誤解、誤入力。NHKでもか? と思ったのは、昨年の紅白歌合戦。審査員で出演した井上の紹介テロップも「バンダム級」にされてたっけか…
世界タイトルマッチ、オリンピックやワールドカップなどの国際大会で斉唱あるいは吹奏される「国歌」が「国家」に誤変換されてるときも、たまにある。
主にプロ野球選手などのおカネの話で見聞きする「年俸」が「年棒」になっちゃってるのもまた、意外と多い。「ねんぽう」でなく「ねんぼう」と誤読してしまってるのが一因だろうか。「バント」を「バンド」と言ったり書いたりする人が多い? のと同様、関西出身の人に目立つ印象。
野球の記録用語である「補殺」も「捕殺」になっているのが少なからず。
「りょう」のモンダイ
PCでもスマホでも、有名な人や土地の名前=固有名詞は変換候補に出てきて、最近は間違えにくくなっているものの、意外と減ってない印象。
松井秀喜や本田圭佑の出身校で知られる石川県の「星稜」高校は、「星陵」と誤記されることがある。兵庫県と静岡県に「星陵」高校があること、広島県の強豪校は「広陵」であったりすることも、混乱・混同してしまう一因だろうか。
日本ハム入団後は苦労しているハンカチ王子(←この愛称、なつかしい)、斎藤「佑樹」も「祐樹」にされてるのをよく見た。本田「圭佑」も、もしかしたらサザンと混同して「圭祐」にされることがあったかもしれない。
ついでに、戦国武将・伊達「政宗」を「正宗」にしてるテレビ番組があったことも思い出す。酒の銘柄と混同したのか、ただの誤変換なのか…
自分だってもちろん間違えた経験はある。他人のミスや誤解を笑いたいわけじゃない。間違えるより間違えないほうがいいに決まってるので…間違えないようにするための努力と確認は、忘れんようにしなきゃな、と自戒・再認識する次第。
2020.07.09
Photo : H.Inoue
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