井岡勝利

端的にいえば慎重さと経験値の差、だったのか。いろいろあった2020年を締めくくる一戦は、田中恒成の速いパンチを見極め、カウンターを炸裂させた井岡一翔の見事な勝利に終わった。

井上 博雅

Hiromasa Inoue


8ラウンド1分35秒

 2度のダウンと、8回にレフェリーがストップするきっかけになったのは、みんな同じようなタイミングで放たれている左パンチだった。


 2020年大みそかに行われたWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ。


※東京・大田区総合体育館(2015年)

 地力に勝ったというのか、底力や経験の差も出たというべきなのか。冷静さを失うこともなかったチャンピオン井岡一翔が、若く、真っすぐすぎたチャレンジャー田中恒成の闘いぶりを打ち砕いた、そんな一戦だったか。


 試合後、思ったままを言ったのか、田中は正直に「完敗です」と認めたようだ。ただ「こんなに差があったのかとびっくりしました」とつづけたらしいそのコメントについては、言わなくてもよかったんじゃないのかな? と思ったのが自分の感想。


 あえてそういう言い方をしたのか…ほんとにそう思って言ったのだとしたら、今後を考えると発しなくてもいい一言だったという気がする。


 なんとなく田中優位と予想していたせいもあるが、井岡にもそれほど余裕があったようには見えなかっただけに、"かないませんでした"みたいに聞こえる言葉は残さなくてもよかったろう――と思ってる人は少ないか。

2021.01.03

Photo : H.Inoue


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