胴上げ投手、再び!?
- H. Inoue
- 10月27日
- 読了時間: 4分
昨シーズンに続くドジャースの連覇なるか。その場合、あのときのように日本のピッチャーが《胴上げ投手》になるのか。ドキドキハラハラの「ワールドシリーズ2025」がトロントで開幕し1勝1敗のタイになった――
井上 博雅
Hiromasa Inoue
POSTSEASON 2025
2025年NLCS(ナショナルリーグ優勝決定シリーズ)第4戦、ロサンゼルス・ドジャースはミルウォーキー・ブリュワーズを5対1で下しスウィープ=4戦全勝、ワールドシリーズ進出を決めた。
9回表のマウンドに立ち、ドジャース勝利を決める最後の1球を投げたのはルーキー佐々木朗希。危なげなく三者凡退に抑える13球だった。
故障明けでの、レギュラーシーズン終盤での初リリーフという不慣れなポジション。シリーズ初戦では、後を継いだブレイク・トライネンが抑えたものの最後の1アウトが取れず、不安を感じることもないわけじゃなかった。しかしホームに戻っての第3戦と、大谷翔平が先発登板して3本もホームランを放つ離れ業を演じてシリーズ突破を決めた第4戦は、期待通りにゲームを締めた。
シーズン序盤からの酷使? もあって、心身ともにかなり疲弊しているドジャースのブルペン陣にあって、ある意味フレッシュな状態にあるロウキの右腕は、頼もしい存在と言っていいだろう。

熱戦続きだったALCS(アメリカンリーグ優勝決定シリーズ)が最終第7戦までもつれ、トロント・ブルージェイズが相手に決まったワールドシリーズでも、クローザーのポジションは佐々木が担うようだと聞いて思い及んだのが、12年前のこと。
あのときは、こんなシーン、自分が生きてるうちにまた見られるだろうか、その可能性がある場面が訪れることさえないんじゃないか? と想像したくらいの快挙だと思ったけれど、まだ生きてる今、また見られるかもしれない(可能性は十分ある)、と少しばかりドキドキしている。
クローザーは佐々木? 大谷!? それとも…
2013年のワールドシリーズ第6戦、9回表。ボストン・レッドソックスの上原浩治が、セントルイス・カージナルスから最後の3アウトを取り、本拠地フェンウェイパークで歓喜の輪の中心になった。
テキサス・レンジャーズに在籍していた2年前のポストシーズンで打ち込まれてしまった悔しさを払拭もするような、レッドソックス移籍後の快投。リードするゲームの最後のイニングに起用される重要な=勝ち進めば進むほどプレッシャーも増すポジションを勝ち取り、その期待に応え続けた38歳に、ただただ感心するばかりだった。
そして感心したのと同時に、日本人選手がワールドシリーズで《胴上げ投手》になるなんてこと、今後あるだろうか。それほど、貴重かつ価値あるシーンだと感じたことを思い出している。
この4年前、松井秀喜(ヤンキース)がワールドシリーズMVPに輝く大活躍を見せてはいた。これももちろん快挙で、誰でもできることじゃない。どっちもすごいのだけれども、難易度の高さを比較したら、このときの上原が成し遂げたことの方が上なんじゃないか。
ア・リーグ優勝決定シリーズでは1勝3セーブ、4つの勝利すべてにからみMVPに輝く無双ぶり。ワールドシリーズでも6試合中5試合に登板しナ・リーグ王者カージナルスを無失点に抑えて見せたクローザー上原は、この年のポストシーズン16試合中13試合に登板し1勝1敗7セーブ、防御率0.66だった。
ここまでの大車輪ぶりとはいかないとしても、ドジャースの“シン魔神”佐々木朗希が上原のように、最後の3アウトを取るためのマウンドに立つシーンは訪れるか。まさかまさかひょっとしたらひょっとして、2023年WBCのときのように大谷翔平がその役を…なんてウルトラCもあるのか(さすがにそれはないか)。
ニッポンのピッチャーが再び、シーズン最後の1球を投げることになるかもしれない。その可能性を感じさせる機会がこんなに早く訪れるなんて…と、いつもとはちょっと違った思いも混ざったポストシーズンを楽しめている。
◇ ◇ ◇

ドジャース連覇か、ブルージェイズ32年ぶりの栄冠か。
2025年ワールドシリーズはトロントで開幕した。初戦はブルージェイズが2ケタ得点で大勝し、第2戦はドジャース・山本由伸がポストシーズン2試合連続となる完投勝利。1勝1敗のタイに持ち込んだ。
第3戦から第5戦の舞台はロサンゼルス、間の第4戦は大谷が先発登板予定。ここまでの2戦はクローザーが登板する展開になっていないけれど――もしもドジャースが勝ち抜いて連覇を果たすとしたら、今日のように山本が完投(完封?)して胴上げ投手に、なんてラストシーンも考えられるか。そんな新たな想像も始めている。
2025.10.27




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