6月7日、さいたまスーパーアリーナ

2022年6月7日(火)、さいたまスーパーアリーナ。"モンスター"井上尚弥とノニト・ドネアが、あのときと同じ会場で再び拳を交える。待ち遠しい、ワクワクドキドキの時――

下里 淳一

Junichi Shimozato



 ワクワクドキドキの時がまたやってくる。チケットもべらぼうに高いがそれだけの値打ちはある。行けるなら行きたい。現地観戦がなによりだ。


 茶の間や机上のほうがよく見えるし解説も聞けるし繰り返し見られるし、くつろいだカッコウで好きな飲食もできるから重宝で、なにより時間とお金がよけいにかからない。


Naoya Inoue, 2019

 だけど全然違う、現地と茶の間は。


 何が違うって、世界が違う、次元が違うって言うしかない。源氏物語の原文にあたるか現代語訳を読むかくらいの違い、おれはどっちも読んでないけど。


 現地なら、たとえ遠目でも、自分の目の前を井上尚弥が行く、ノニト・ドネアが過ぎる。自分の目の前のリングで両雄が拳を交える。


 いろんな人がまわりにいっぱいいて、いろんな音が聞こえる。前回は、トイレに立ったら誰かに何か言っている背広姿の内山高志とすれ違った。すげえカッコイイなって思った。


 自分がいろんなことを感じてそれがずっと残る。今だって、たとえばドネアが倒れたとき、会場の大音声に引っ張りあげられて、遅れておれも立ち上がった、あの瞬間が浮かぶ。


 今回は自分の不甲斐なさから行くことができない。花盛りに悔しさかかえてワクワクドキドキの時を待つしかない。


 だけど、だから、教えておくれ、さいたまスーパーアリーナがどんなだったか。

2022.04.07

Photo : H.Inoue


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