ノニト・ドネアを痛烈に返り討ちし、バンタム級の3団体統一を果たした"Monster"井上尚弥が、RING誌の《Pound For Pound》ランキングで1位に選出された――
井上 博雅
Hiromasa Inoue
アメリカの老舗専門誌『The RING』2022年6月号は、過去100年における「GREATEST PUNCHERS」の100人を選出している。
6月7日、ここで33位にランクされている"モンスター"井上尚弥と、49位のノニト・ドネアが闘った。
2019年11月7日以来およそ2年半ぶり2度目の対戦は、2ラウンド1分24秒TKOで、井上が完勝した。
もちろん勝つと予想してはいたものの、「今回はドラマにはならない。一方的に、触れさせずに終わる」なんてコメントをしていたほど圧倒することはないのでは……そんな想像をあざ笑うかのようなストップ勝ち。
初回終了直前に炸裂させた右ストレートのカウンター、つづく2回に一気に決めた連打は、見ていて怖いくらいの鋭さだった。
さすがに「触れさせず」とまではいかなかったが、前回のようなフルラウンドにわたる大激闘≒ドラマにはならない、モンスターが予告した通りといっていいワンサイドな内容と結果だった。
今回のドネア戦後のタイミングで企画・刊行されていたら、もうちょっと上位になっていたかな、とぼんやり思っていたら――
独自選出する《POUND FOR POUND "All Weights"》で、全階級を通じて1位にランクされた(※この6月号ではカネロ・アルバレス、オレクサンドル・ウシク、テレンス・クロフォードに次ぐ4位)。
まだ選考委員全員が推す"ユナニマス"ではないようだけれど、こういう話のなかに日本人選手の名前が出てくることさえとても珍しかったのに、1位! 文字通りTOPにRANKされる日が来るなんて…
驚き、感嘆、畏敬 etc. etc. といったコトバが浮かんでくるばかりだ。
2022.06.19