バリアフリーについて…考える

最終更新: 5月16日

車椅子利用者の乗降を手伝うことが多々あり、同時に、弱者とされる人の言動に疑問を感じることも少なからずある、駅での仕事。お互い快適な接点を見出すことは、むずかしいのだろか…!?

うらごろー

Uragoro


ご利用は計画的だった…

 障害者割引きっぷの発売や精算をする際に障害者手帳の提示を求めると、不機嫌になられたり怒られたりすることが珍しくない。


 実際に確認すると、適用外の利用区間や記載内容だったりすることもあるので、その都度確かめなければいけないんだけど…提示を求められることじたいに腹を立てる人もいて、難儀する。「弱者を見下している」「不正を疑われたようで不愉快だった」などというクレームを入れられることもあり、ちょっと厄介と感じるのが正直なところだ。


 きちんと確認しなさいと指示されている業務の一つなのに、"ご意見(=クレーム)"が入ると取り調べを受けることになり、面倒。ハンデのある人からのものは、健常者以上にナーバスになるから、(その確認を)スルーしてしまうことさえある。


 必要な確認をさせてもらうことさえ躊躇するくらい恐る恐る、弱者とされている人と接する日常。みんながみんなそうだと思ってるわけではもちろんないけど、ちっとも弱者じゃないよな…と感じることは多い。だれが言ったか、「弱さも、必要以上に強調し振りかざしたら暴力」というフレーズも思い出す。


 4月4日、車椅子利用者が乗車拒否をされたとするブログ投稿が燃え盛り、賛否様々な意見が飛び交った“来宮問題”の一件。これを読んだときに抱いた思いも、同じだった。


※写真はイメージです

 件の投稿をしたのは、骨形成不全症という骨が弱い障害を持ち、日常電動車椅子を利用している伊是名(いぜな)夏子さんという人。


 想像するに――「そんな目に遭ったんですか」「JRの対応ひどいですね」といった、車椅子利用者やハンデある人への無理解などを嘆く書き込みであふれ、「そうなんです。こういうことしょっちゅうで、珍しいことじゃないんですよ」みたいに返す――


 SNS等々でこんな感じのやりとりを発展させて鉄道会社を批判し、モアベターなバリアフリー環境の構築を進める一助にしよう。そんな目論見だったのだろう。これくらいしないと、ちゃんと考えてもらえないから…と、のちに支援者が発信するYouTube番組でも語っていたように、「旅行」の主な目的と狙いは、そこにあったようだ。


 しかし、風や空気を読み違えたというか見誤ったというか。あるアンケートでは97%が「支持しない」と答えたともいうように、想定をはるかに超える「否」の反応と、それに付随した誹謗中傷の多さに困惑する投稿もしている。


 駅で働いているからということもあるけど、自分も、いくらなんだってそのやり方はNGだろ…と感じた、「否」と考える側の一人。あえて付け足すと、カスハラだろ、とさえ言いたくなる"事件"だった。


現状に対する理解と配慮

 このときのJR側のまずかった点を強いて、強いて上げるとしたら、最初の「駅員A」さんによる「案内は15分前にするので、そのころにいらしてください」の案内だろうか(この時点で要望に添えないと返答しても、モメたことに変わりはなかったろうけど)。


※写真はイメージ

 おそらく「A」さんは、来宮が無人でエレベータもなく、依頼された案内ができない駅であることをど忘れしていたんじゃないか。でもそれは障害者の利用を想定できていなかったからではない。小田原のような他社も乗り入れる大きい駅なら、車椅子利用者の乗降案内は毎日のようにあるはずで、むしろ通常の扱いをしようとしたがため結果的に"誤案内"をしてしまったのだ、と想像する。


 そのくらい、(来宮は)ふだん車椅子利用者の乗降の手伝いを求められることがない駅で、求められたとしても、案内できない旨の説明に理解を示してもらえないとか、3~4人連れてきて持ちあげてくれと詰め寄られる、なんて経験もないところだったのだろう…ということ。


 今後は事前に、とJRもお願いをしたようだけど、そういうやり取りがあれば最大限希望に添う対応をしただろうし、ここまでモメてしまうこともなかったはずだ。


 いやいや、事前に連絡なんかしなくても健常者と同様行きたいときに行きたいところへ行けるようになるべき…って、そりゃもちろんわかる。そうできるよう交通機関は取り計らう努力義務があり、合理的配慮をすべきだという点を否定したいのではない。


 ひところに比べれば整備も進んだとはいえ、まだまだ不便や不安、危険を感じるところは多いのかもしれない(いやいや、こんなの整備が進んでるうちに入らないよ、と考えている?)。バリアフリー環境をよりよくするために声を上げる必要があるのだということも同様、理解できる。


 しかし、エレベータが設置されていない駅や人員の配置がない(あるいは少ない)駅・路線では、すぐに対応できない時と場合があり、できる場合でも、今回のように4人車椅子の形状や重量によっては6人!の手が必要になる――今回いちばん言いたいと思ったのは、この点だ。


 待ってましたとばかりに4人6人をすぐホイホイ招集できるような、ゆとりある人員配置はJRのような大所帯ですらできないのだ。その現状と現実には、努力義務を求めるのと同じように理解と配慮をしてくれてもいいんじゃないの? ということなんだけど、急だろうがなんだろうが人が少なかろうが、何とかやろうとするのがあんたらの仕事だろ、と言われちゃうのかな…


To Be Continued.... !?

 あんたたちはちっともわかってない! そもそも、すぐに対応できない時と場合があるのが問題なんです!! とまた吠えられてしまうか。でもその考えが正しいのだとしても、突然オラオラとやって来て問題を乱暴に投げつけ、撮影し、手際よくメディアにも通報するなんて手段は、やはり正しくないと言わざるを得ない。


 投げ方も、投げつける場所も違うでしょ。


 別の利用客に少し待ってくださいと言ったことでお叱りを受けることになってもやむを得ない。車椅子利用の方の乗降案内を最優先するように――と指導している駅もある(そういうところがほとんどか…)。それくらい何よりも…な取り扱いをし、個々の係員はもしトラブってしまったら大変というプレッシャーもときに感じながら、業務に従事している。そんな日常もあらためて思い返すような、一連の騒動。


 伊是名さんの投稿後2週間くらい? つづいた炎上状態こそおさまっている感はあるものの、1カ月以上たった今もまだ、関連する投稿やツイートは少なくない。すべてを読めているわけではないけれど、こういう考えもあるか…と勉強になった記事もある。


 思ったことをこうしてまとめるのはとてもむずかしいけど、またいずれ、気が向いたらこの場かツイッターで…

2021.05.12

Photo : Uragoro


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