日米接客比較

単なる文化習慣の違いなのか。たまに海外へ行くと、日本でしたりされたりしている"サービス"って、間違い? と思うくらい、戸惑いを覚えることが少なくない。バランスのよい着地点はあるのだろうか。

うらごろー

Uragoro


キャンセルの思い出

 いまの仕事に就く前――もう10年くらい前のこと。


 アメリカ東部を旅行して帰国する日、搭乗予定だった成田への直行便が機材変更され座席数が減るために、自分を含め、たしか20人くらいの客が乗れないことになった。他社便や乗継ぎ便などもなく、振り替えは翌日と言われ、1日長く滞在することになってしまった。


 こういうトラブルは時々起こり、乗れなくなることもよくあると聞いてはいたけど、自分は初体験。しかたない、これも経験…と思えるようになる前、自分は乗れない? という事情を理解するまでにかかった時間の長さには、少しイラついた。


 日系の航空会社じゃなかったとはいえ、日本へ直接飛んでいく、当然日本人客も多い便の搭乗ゲートに、日本語でも事情を説明できるスタッフが全然いなかったことも、同様。そして、理由や事情を聞こうとカタコト英語で声をかけたときの、スタッフの対応がまた印象的だった。


※写真はイメージです

 入れ代わり立ち代わり、同じことを何度も聞かれて向こうもイラついていたのだろう。キャンセルが出た場合の優先順位リスト? か何かを見ながら「あなたの番になったら呼ぶから」と、迷惑がっていることを隠そうともしない。仕事が増えたこっちも大変なの、黙って待っててと言わんばかり(言ってたのかな)。


あれでいいのか

 買ったのはいちばん安いチケットだけど一応客だぞ、もう少し丁寧な言い方があるんじゃないの? そう思ったと同時に、"こういう「接客」もあるのか…"と、軽く感心したことを覚えている。


 結局キャンセルはほとんど出ず、乗る人はみんな乗り、飛行機は無事に飛び立った。ほんとにあぶれたとわかったあとは…「あっちのカウンターで、ホテルの手配をするから」という素っ気ないやりとりでおしまい。


 ホテルを用意し(もちろん航空会社持ち)、翌日の便に乗れる手はずを整えるという、とるべき代替手段をとった。だからヨシ、だったのだろうけど、航空会社側の都合で客に不利益が及び、不安に陥れているのに、マイペースな仕事ぶり。「あれでいいのか…」と驚いたことを、いまの仕事に就いて以降特に、よく思い出す。


 あんなもんです。ほかのスタッフだったとしても、似たり寄ったりですよ―――


 と話しかけてくれたのは、同じ目に遭って苦笑していたNさん。年に何度も出張しているそうで、「2~3回に1回は、こういうトラブルに巻き込まれてます」などと自嘲気味に言う体験談が面白く、翌日まで退屈せずにすんだことも、一緒に思い出す。


もしも日本だったら…

 日本の航空会社便で、あるいは日本の国際空港で同じようなことがあったら、JALやANAのスタッフは日本人客に対してはもちろん、外国人客に対しても、こんな対応はしないだろう。ましてや、乗れないことを機械的に告げ、当然のように「ホテルとかはあっちで手配しますんで。それじゃ」なんて突き放そうものなら、日本人客はその場で"お客様センター"に電話、だろう(笑)。


 アメリカのように、あんなドライな対応をするのがベストとはもちろん思わない。対照的に、必要以上にペコペコ頭を下げる日本のばかばかしい日常もまた、なんとかならんかとも感じる。もう少しバランスのよい、"足して2で割る"ような状態になるようすり合わせたいけど、難易度は高い。


 たまに外国へ行くと、日本との違いや、それぞれのいいところとそうでないところがよくわかる。どうあるのがモアベターなのかを考える上ではとても参考になる。


 もう何年も海外なんて行けてないし、Nさんにもこのとき以来会えていない。長々とこんなこと書きながら、また体験談なんかを聞いてみたくなったけど、コロナのせいで海外どころじゃなくなっているのがとても残念だ…

2020.12.17

Photo : Uragoro


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